転勤族家庭にどんなイメージをお持ちですか?
『頻繁に引越があって大変そう』『いろんな場所に住めて楽しそう』などなど…
どれもよく聞くイメージですが、他にもたまに耳にするのが
転勤族って収入良さそうじゃない?
皆さんも転勤族に対してそんなイメージを持たれたことはありますか?
今回は、元転妻のわたしが転勤族家庭の収入にまつわる実情をお伝えします

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転勤族=収入が高いのイメージはなぜ?
理由はこんなところから来ているのではないでしょうか?
転勤がある=大規模な企業
引越を伴う転勤があるということは、少なくとも広範囲に複数の拠点がある企業で働いているという事です。
『うち、全国区の転勤族なの』なんて言うと、
『へぇ~ 全国に支社があるくらいの大企業なのね!』
というイメージに直結しやすいらしく、それがまた『大企業=安定していてお給料も高そう』というイメージを生み出しているのかもしれません。
住宅費の補助が手厚い
もう一つの大きな原因は、『家賃補助がある』ということ。
基本的に、会社の意思で定期的な引越を余儀なくされる転勤族家庭は、2,3万円という破格の家賃で社宅が提供されていたり、借上げ社宅でも家賃の半額を会社が負担している等のケースが多くみられます。
ちなみに、なっち家の家賃は6割を夫の勤務先が負担してくれていました。
家計の大半を占める住宅費の負担がかなり軽くなっているのは事実なので
『転勤族=住宅費の補助が手厚い』
というイメージを持っている方もかなり多そうです。
『転勤族=収入が良い』のイメージを作っているのは、一般的におそらく上記の2つが大きな理由なのではないでしょうか。
知ってほしい転勤族のお金事情
では、実際はどうなんでしょう?
実は、転勤族ってとにかく大きな出費が多いんです!!
家具・家電の買い直し
家が変われば間取りも大きく変わる。
前の家で使っていた家具が新しい家では上手く配置できなかったりして家具家電の買い替えを余儀なくされる事も多々あります。
特に引越ごとに買いなおさなければいけない可能性が高いのはカーテン!
窓の大きさや数は物件によって本当に様々なので、カーテンは引っ越しの度に買い替えていました…
カーテンも各部屋の分を買いなおすとなると、数セット購入することになるので、それだけで購入費は数万円になることも。
そして、もう一つの大きな問題はガスコンロ!
ガスコンロはプロパンガスと都市ガスで仕様が違います。
都市部への転勤の場合は都市ガスが供給されていることが多いですが、ちょっと地方へ行くと大半の物件はプロパンガスが主流。
都市ガスエリア→プロパンガスエリアへ引越になった場合はガスコンロも買いなおさなくてはいけません…
これ以外にも、細かい物を言えば衣装ケースや棚などの収納グッズ、カーペットなども家が変わればサイズが合わず、泣く泣く買い替えることも。
我が家も、引越のときは毎回必要最低限の買い直しだけで済むように努力していますが、カーテン、ガスコンロ、カーペットなどはどうしても買い替えを余儀なくされることが多く、家具家電の買い直しだけで毎回数万円は飛んでいきます。
引越業者への支払いは、夫の会社が100%負担してくれますが、家具家電の買い直し費用はもちろん100%自己負担ですので本当に痛い出費です。
車の購入、維持費
そして家具家電の買い直しなんかよりももっと負担がつらいもの…
それは車の購入費!!
東京、大阪などの公共交通機関がかなり充実しているエリアなら問題ありませんが、ちょっと地方への転勤となれば、車は1人1台が当たり前という地域は本当に多い!
そういう地域に転勤となれば、夫は当然車通勤になるので1家に1台は必須。
そして、小さい子供がいたり、冬の積雪が多い地域となれば自転車移動も難しくなるので、妻も車購入が必要になります。
そうなると、中古車で安く抑えたとしても一気に数十万~数百万円の出費がかかることに。
そして、車は買ったら終わりではありません。
毎月の駐車場代から自動車保険料、ガソリン代がかかるのは勿論の事、2年に1度の車検費用や、不具合がおきればメンテナンス費など、とにかく大きな出費が増える!
我が家は、最初の5年間は地方で生活していたので、結婚とほぼ同時に私も軽自動車を購入し、夫の普通乗用車と併せて2台持ちでした。
この5年間での車にかかった費用は計算したくないほど大きかったと思います…
当時は思いつきませんでしたが、期間限定なら「カーリース」にしておけばよかった!カーリースなら都市部への転勤が決まれば解約すれば良いだけ!

帰省費
これも転勤族を悩ませる大きな出費の一つ。
我が家の場合、主人は関西、私は関東に実家があります。
孫の可愛い時期を出来るだけ祖父母に見せてあげたいという思いから、お互いの実家へ年に3回づつは顔を出すように心がけていますが、この帰省費が本当に大変!
毎年、帰省費に年間で約20万円はかかっていました。
地元の友人などを見ていると、双方の実家が車で十数分の距離にあるという家庭もたくさんあるので、とても羨ましく感じてしまいます…
物件探しのための交通費・宿泊費
毎回転勤が決まると、一番にやらなくてはいけないのが新居の物件探し。
転妻仲間さんのお話しを聞いていると「遠方すぎて行けないのでネットで見ただけで決定した」というパターンもありましたが、住居は転勤後の生活の快適さを大きく左右するポイントなので、我が家の場合は出来るだけ現地に足を運ぶようにしていました。
でも、この新居を探すための交通費は完全に自己負担です。
会社によっては交通費を会社側で負担してくれるところもあるようですが、夫の会社の場合は完全自己負担。
それでも、我が家は出来るだけ夫婦二人揃って家探しをしたいので、交通費の自腹をきって、現地へ物件探しに足を運んでいました。
転勤先が日帰りできる場合は往復の交通費のみで済みますが、遠方の場合はさらに宿泊費がかかることも…
引越前から数万円のお金が飛んでいくこともあります。
幼稚園、保育園の転園費用
そして、子供が大きくなってくると問題になるのが幼稚園、保育園の転園費用。
幼稚園の入園って本当にお金がかかるんです!
まず、大きな支払いとしては入園金。
これは地域によって様々なので一概には言えませんが、地方の安いところでは1、2万円で済むところもあれば、東京や大阪などの大きな都市になれば10万円を超えるところまで!
そして、入園金以外にも、制服、通園バッグ、体操服、お道具などなど、とにかく諭吉様が飛んで行きます。
そしてやっと払い終えて無事に入園出来たとしても、転勤で転園することになれば、また全てもう一回支払うことに!!
幼稚園によっては「お道具類は前の幼稚園で使っていたものを使ってもいいですよ」なんてところもありますが、幼稚園児のお年頃では「どうして私だけ違うの?みんなとお揃いがいい!」なんてこともあるので、やはり一式買いなおすパターンが多くなります。
実際、我が家の娘も、以前の転勤先で満3歳児クラスに通っていました。
その幼稚園に入園する際に入園金2万円をはじめ、制服や体操服、通園バッグなども一式揃えたため、合計で7.8万円をお支払い。
この幼稚園で卒園までとはいかなくても、年中さんぐらいまで通えたらいいな。
なんて思っていたら、なんと入園からわずか半年で転勤!
そのため、購入していた制服や体操服一式は入園予定のお子さんがいる近所の方にお譲りし、我が家はまた新しい幼稚園のものを買いなおすことに。
結局、転勤先での新しい幼稚園は、入園金が6万円! さらに制服やお道具一式も新たに購入して10万円を超えるお支払いになりました。
この幼稚園の転園費用はもちろん100%自己負担。
とても手厚い会社だと、幼稚園児がいる場合、転園費用を負担してくれる会社があるようですが、周りの転妻さんの話を聞いてみても、なかなかそこまで手厚い会社は少ないように感じます。
結局、我が家の娘は卒園までに4つの幼稚園に通いました。
かかった費用は……計算したくありません。涙
まとめ
転勤族にまつわるお金事情、いかがでしたでしょうか?
世間では『収入が良さそう』というイメージを持たれることもある転勤族。
確かに、安定した大企業であったり、住宅手当の面で優遇されていたり、と収入面でプラスの要素があることは間違いではありませんが、上記でご説明した通り、転勤族ってとにかく定期的に大きな出費が多いんです!
そして何より辛いのは、
『転勤族の妻は外で働きづらいということ』
出費が多くても、夫婦共働きで家計を支えることが出来れば安心を得られますが、一度転勤辞令が出れば2,3週間後には引越さなければならず、子供を預ける先も確保しづらい転勤族妻が外で雇ってもらうのはかなりハードルが高くなります。

そんなわけで、転勤族のお金事情はなかなか厳しいものがあります。
転勤族の彼との結婚を考えている方はしっかり貯金をしておかないと、いざ転勤となったときに真っ青になるかもしれませんよ…
